先日の妙高旅の余韻もまだ薄れぬうちに、また新たな旅の提案を。
本来は北陸最大級のアウトドアショップと言われる福井のゲートへ行って見たかったのだが、生憎の水曜日の店休日。
でも、奥さんの「死ぬまでに行ってみたい場所100選」の中の一つにある、かずら橋へ連れて行ってあげたくて、ゲートは諦めたが、福井行きは決行。
超久しぶりにパ軒のソースカツ丼も食べたかったし。
最初はゆっくりと下道で…と考えていたが、福井は近いようで遠い。
何も考えずに下道で行こうものなら軽く4時間は掛かる。
なので、迷わず高速で。
高岡ICから乗車し、とりあえず以前に行ったが記憶に薄い「あの時のソースカツ丼」との再会を皮切りに福井トリップスタート。
とはいえ、敦賀の支店を含めたらなんと全19店舗、福井近郊だけでも13店舗もある店の中から、昔一回行っただけの記憶で当時訪問した店を見つけるのは至難の技。
手掛かりは店の外観と確かごちゃごちゃした街の真ん中にあったって事だけがたより。
が、奇跡的に2軒目でお目当ての、6〜7年前に初めて行ったヨーロッパ軒の当時のまんまの店と再会できた。
モダンな内装もあのときの記憶のまんま。
思い出がそのまま変わらずそこにあるってほんとうにうれしい。
味の方も100点満点。
決して絶品グルメっていうわけじゃないけど、こういった歴史に裏付けられたものは、味だけが優れたものには到底追いつけない素晴らしさがあると思う。
個人的にはこのソースカツ丼だけで大満足だったけど、今日のメインイベントはかずら橋。
福井の街中を通り、かずら橋がある池田町を目指す。
池田町は素朴という言葉をそのまんま現実にうつしたような町。
まわりは山々に囲まれ、里川が流れ、そして田園風景が目一杯広がる。
目をつぶって田舎の風景を思い浮かべたならばだれしもが間違いなくこんな場所を思い浮かべるだろう。まさしくそんな町。
池田町に沿って流れる足羽川には等間隔で鮎釣り師が糸を垂らしている。
川の規模こそこぢんまりとしているが、この素晴らしいロケーションの中で一日中たっぷり釣りを楽しむ事ができるとは最高の贅沢だよね。
そんなこんなでのんびりと車を走らせながらもかずら橋の駐車場へ到着。
足羽川渓流のサラサラと流れる音が耳にも目にも体感的にも涼しげ。
かずら橋はこの渓流を渡す吊り橋の事で、シラクチカズラというつる草で繋いだ橋。
もちろんワイヤーで補強はしてあるが、大人二人が吊り橋に入るとなかなかスリリングに揺れる。
この橋の上で恋人同士が愛を誓うと永遠に叶うといういわれがあるらしいが、僕らふたりともそんな事は全く知らずに渡っていた。
もったいなかったな笑。
このかずら橋がある場所は蕎麦屋やお土産屋などがあったり、渓流沿いを散策するコースもあったりでちょっとした時間を楽しめる。
パンフレットを見ていると池田町の食やら何やら全てのモノも、素朴だからこその魅力を打ち出していて、他の自治体のように下手にとってつけたようなお洒落アピールも敢えて出さず、昔から純粋にそこにあり、そして共に生活してきたものを、形を変えずにそのまま提供するといったある意味斬新なやり方で自らの町を盛り上げているところが素晴らしく、またそこに自信があるからこそなんだろうと思った。
「何もないからこその良さ」最近その魅力に惹かれる。
バラエティに富んでいる…と言えば聞こえが良いが、何もかもが揃っているつまらなさ。そんな場所は実はほんとに多いと思う。
いや、そもそも…
主観になるかもだけど、福井県は同じ北陸として富山や石川に隠れがちだと思う。
だけど実は北陸三県の中でも福井はダントツで見どころが多い。
北から南までたっぷりと福井が誇れる良さが溢れている。
だけど、福井県はそれらを変な「売り」にしていない。
日々を大切にしているからこそ、日常的な物事に優しくなり、当たり前を粗末にしない。
自治体の「売り」は、やり方をあやまるとその当たり前の良さを生け贄に変えてしまう。
ひとを呼ぶ為に土壌と風景を変え、最後はそこに住む人も変えてしまい、そして元々あるべきもの全てを潰してしまう。
白馬村が大好きで毎年思い立つとすぐに訪れるのだけど、いつまで経っても新しいお店も増えないし、際立った発展もない。
けど、それでいいんだよね。それがいいんだよ。
シーズンタウンだから商売が持続出来ない…いや、そうじゃない。
この時代まで色々発展させてきた人間も、人智を駆使しても変えれない事はたくさんある。
結局、共存する事は難しいんだろうな。
さてと。 今日もたっぷりと楽しんだ。
帰りのドライブもゆっくりと楽しもう。
いやちょっとまて!
これだけ良い場所まで来てもっと楽しまなくちゃもったいない。よね?
ってわけで、これまた池田町にある「龍双ヶ滝」を見に。
日本の銘滝100選に選ばれている程なので楽しみ。
以前の苗名滝もかなり迫力あったけど今回の滝はどうだろうか? 滝の名前からして相当イカつい水瀑なのだろうか?
実際はイメージとは真逆で、凄く繊細な糸のような落ち方をしている滝だった。
その極静かな迫力は文句無しの銘滝。
その静かさは福井全体を象徴しているみたい。
何年か先、またその時まで変わらないこの滝の前で今日の事を思い出そう。
帰りは大野側へ抜け、勝山を経由して石川県、そして我が故郷の富山へ。
今は街のど真ん中で仕事しているが、ココは毎回何も無いど田舎やなぁって思ってた。けど、池田町を訪れて少し考え方が変わった。
ちょうど富山に着いたタイミングでお腹が空いた。
ディナーは迷わずカレー。
奥さんも同意。
お店は前々から行きたかったサントシへ。
お茶目なママはご愛嬌。
さりげないインド感。ここでも来たね。さりげなさ。
ザ・インド!! …がなくて、自然に馴染めた。
意外に毎日食べれる系。
もちろんまた来るよね。
そして…充実の1日が終わる。
お疲れ様。