ひろさんの毎日。

アウトドアを遊びつくす。

食の旅。その1 (能登島&高岡編)

前回は長野まで奥さんと食の旅を楽しんできましたが、今回はお隣の能登島と高岡といった近場での穴場探し…の小トリップへ行ってきました。

 

本来は輪島〜珠洲まで足を運ぶ予定が、何かと朝の出発でモタつき、予定より大幅に出発が遅れた為に、向かうには向かってみたものの…結局「富来」の道の駅で時間的に断念。

 

残念だけど、まあまた次があるさ。

 

という事で、富来から折り返し、能登島へ向かう。

 

能登島への目的は、奥さんと晩酌する際に使うグラス探し。

 

それも日本酒とワインを飲むのにどっちのお酒でも共通で使えるようなグラスを探しに能登島のガラス工房まで行ってみる事に。

 

そしてもうひとつの目的、能登島の向田にある「槐」という蕎麦屋へ行く予定にしていた。

 

能登島はどうしてもイコール「海」というイメージが強く、食と言えばどっちかというとイタリアンを想像するが、今回は蕎麦。

 

蕎麦の知識や舌に自信があるわけではないが、普通に考えると、海に囲まれた「島」でいい水が取れるかも疑わしいし、蕎麦の栽培に適した風土かと言われればその辺も微妙な感じ。

 

確かに想像上のクオリティは半信半疑だが、その店の蕎麦を食してみたい!と気持ちを後押ししたのは、その店にあるミシュランのビブグルマンという格付け。

 

自分の足で…じゃないし、安易と言われればそうだが、その店を知る入り口としては1番わかりやすい指標になるんじゃないかと思う。

 

もちろん、人は十人十色なもので、必ずしもそれが正解とは断定できないが、少なくともわたしはそう思う。

 

ビブグルマンというフィルターを通して、味はもとより、店の雰囲気佇まい、お店の方々の気遣いなどトータル面でのクオリティに期待してみる。

 

 

さてさて。

 

向田に到着し、グーグルマップにて助手席の奥さんにナビをしてもらったものの、進む先は我車が通れるギリギリの路地のさらに奥。

 

ホントにこんなとこに有名店があるんかい状態。

 

とりあえず駐車場には着いたが、あたりに店がある気配は全く無い。

 

迷いながらも奥さんが手書きの案内看板を見つけ、「こりゃわからんわ…」的な場所にようやく暖簾を発見。

 

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まさに奥ばった古農家をそのまま利用して商いしている店。

 

よくありがちな、余計なリノベーションで手を加えてしまい、折角の雰囲気や佇まいを壊してしまっているような流行りの「古民家風の…」とは違い、静かな本物感がジワっと伝わってくる。

 

だから、向田のこぢんまりとした集落の中にしっとりと溶け込んでいる様は、店の側に来ても何処に店があるのかわからない…は当然で、実は正解で必然なのだ。

 

暖簾をくぐり早速奥座敷に案内していただく。

 

平日とはいえ、名だたる銘店ともありそこそこの待ちになるかと予想はしていたが、意外に早々に入店できた。

 

行列に貧相が無いとまでは言わないが、綺麗にスッと通される事も何気に上品でもあるな…とも思った。

 

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20畳ほどの大座敷に膳卓が大小で四つあり、真ん中の卓には既に三人連れのご家族?が座られていた。

 

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僕らは縁側向きの、二人にはちょうどいい尺の卓を選ぶ。

 

そこから見える中庭は、やはり何にも余計な手は加えておらず、これが故意なのかありのままなのかは分からないが、とにかく蕎麦に加わるひとつの薬味になるのは間違いない。

 

メニューを開き、ひと通り目を通して、まず奥さんが掛けそばを選ぶ。

 

ちょっと意外だったが、僕も同じく掛けそばを選ぶ。

 

加えて、天ぷらと鴨肉のサラダ。

 

お店の紹介で「夫婦二人での商いの為提供にお時間をいただく事も御座います」との事だったので、まあそれは充分承知していたのだが、全く待つこともなく料理が運ばれてきた。

 

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鴨肉のサラダ。


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掛けそば。

 

 

鴨肉は全くクセもなく素直で柔らかい味。

蕎麦のお供には完璧。

 

一緒に添えられた鶏肉団子は、逆に鶏肉とは一線を画した、いわゆる鴨特有の濃厚な脂のノッた味。

 

共に美味しい。

 

そしてメインのそば。

 

出汁の香りがすでに美味しい。

 

基本、掛けそばは食べない派。

 

どうしても熱いつゆの中では蕎麦の腰がなくなってしまうので何か残念に思えてあまり好きではない。

 

が、今回は奥さんの掛けそば一択に粋な所作を感じて思わず釣られてしまったが、今回は掛けそばは正解。

 

出汁の深さはその香りからすでに答えを出していたが、意外だったのは蕎麦のとろみのある口当たりと喉越し。

 

蕎麦そのものからなのか、掛けそばだったからなのかは定かではなかったが、何かまた再び口にしたくなる蕎麦だ。

 

中庭には、これがまた絵になるような、三毛猫が戯れあう光景があり、また池には落ち水に静かに佇む鯉達が素敵な演出をしてくれた。

 

集客や流行りの店構えなど、必要以上に求めない…それこそがビブグルマンとしての証だと改めて感じた。

 

ご馳走様でした。

 

…ガラス工房は…

 

そこでの作品は隣接する能登島道の駅にて販売されていたが、どうも奥さんの心の琴線には触れなかったようで静かにスルー。笑。

 

お腹も満足して、ディナーを予定している高岡の「クラフタン」の予約時間まで少し時間があったので中島の道の駅でお昼寝。

 

ゆっくりすごす時間は貴重。

 

そして高岡に向けて出発…。

 

続く。